夢見な百合の花
そう言うと保険の先生は、保健室から出て行ってしまった。そして、俺はこの女の子と二人きりなってしまう…。

俺は取り合えずこの女の子の事は気にしないで、保険室のベッドに横になり、また瞑想の世界に旅立った…。でも…

「……何か用か?」

俺は横になった体を起き上げ、女の子に話しかけた。こうも、チラチラ見られたら、気になって仕方がない。

「えっ!??…っと…すみません…」

女の子は俺に話しかけられると、オドオドした様子で、謝ってきた。俺はこの時の女の子の様子を見て、昨日のサヨの事を思い出す…。

俺を見て怯えているサヨの事を…。

自然と俺の眉間には、しわがよっていた。その俺の顔を見て、更に女の子は怯えた表情うぃする…。

「すみません…私が出て行きますから」

女の子は、そう言うと、出口に向かって歩いて行った。

…ちょっと待て。

「急にどうしたんだ?君が出て行く必要はないだろう…君が先に保健室に居たんだし」

何か俺に遠慮して…と言うか、俺の態度が原因で保健室から出ようとしている様に見える。

すると女の子は、俺の言葉に肩を震わせると、ぎこちない表情で、俺に振り返る。

「…私は別に良いですから…すぐに帰りますんで」

「教室にか?」

「いえ……家に帰ります」

…どうして?
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