夢見な百合の花
隠れてたばこを吸っている様な奴等だ…見つかりたくなかったんであろう男達は、俺の声に驚くと、たばこを一所懸命隠していた。

「何か…用でしょうか?」

仲間の一人が、俺の様子をうかがいながら聞いてきた。

「いや…金が欲しいと聞いて来てみたんだが…違うのか?」

金という言葉に、男たちが異常に反応した。どうやら、俺がどんな目的で来たか、理解したようだ。

「…いやぁ…あなたに頼んだ訳ではないんですが。それに…俺達は別に借りようとしただけで、貰おうとした訳ではないのですが」

「そうか…じゃあ借用書は用意したのか?利息はどうする?」

「いやぁ…それは」

俺の言葉に、口ごもる男達。俺も借用書なんて言葉、急に出てくるとは思わなかったが…。

相手に黙らせるには十分のようだな。

「言い訳してんじゃねぇよ。お前らの魂胆なんて知ってるんだよ…サヤからカツアゲなんてしようとしやがって…」

「そうだな。カツアゲは良くねぇ…しかも女の子からするなんて不良の風上にもおけねぇな…」

急に後ろから声が聞こえてきて、後ろに振り返るとイサミが追いかけて来ていた。

「それにしても、俺に黙って行くなんてヒデェなヒサジ。行ってくれれば、俺も一緒に行ったのに」

「イサミに声かけたらケンカになるだろうが…お前ケンカは辞めたんだろう?」

口より先に、手が出そうな男だしな…。

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