夢見な百合の花
「…サヤは、人を怖いと感じるんだよな？それは…過去の出来事に何か原因があったんじゃないのか？この前聞いた時は、いつの間にか、なっていたと言っていたけど、本当は何か決定的な原因があったんじゃないのか？」

何とも不仕付けな質問だ。でも、俺はサヤにこの質問を聞いてみたかった…。

対人恐怖症…この原因がもし過去の何かが原因で、起きているのであれば、それはまさしく…。

トラウマ…つまり、ＰＴＳＤに関係した症状って事になる。

サヤの過去に起きた出来事と、サヨに起きた出来事に共通した事象があれば、何か切っ掛けが掴めるかもしれない。俺はそう考え、あえて無神経な質問をサヤに投げかけた。

「……過去に…ですか」

サヤはそう言うと、歩いていた足を止め、何か考えだした。

そして…。

「ヒサジさん……そこの公園で、少し話しませんか？…あの…長い話になるかもしれませんから…」

サヤはそう言うと、近くにあった公園を指差し、俺に聞いてきた。

「あぁ…俺は構わないよ」

「はい…それでは、行きましょうか」

俺とサヤは近くの公園に行き、話をする事にした。この公園には、少し時間が遅いのもあり、人がまばらに居る程度で、ほとんど貸し切りの様な状態だった。

俺とサヤは、ベンチを見つけるとそこに座った。そして、沈黙が続くと思っていた俺だったが、以外にもサヤは、すぐに口を開いた。

「ヒサジさんの言っていた通りです。昔は今ほど、人見知りではありませんでした…多くはありませんでしたが、私にも友達は居ました。普通に会話も出来ていましたし、人前で緊張なんてしていませんでした」
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