夢見な百合の花
俺はこの後、サヤの家までサヤを送って行ったんだ。サヤは近くまでで良いと言ったんだが、もう外も暗い…なので俺は、サヨを家まできっちり送って行ったんだ。

それがサヤに対する俺なりの恩返しでもある…。

サヤのあの時の助言のおかげで、俺のやるべき事が見えたのだから…。

それにしても、俺は多くの事を見落としていた…それに、一つのキーワードで、ここまで靄が晴れるとは思わなかった。

まさに、水を得た魚の様な気分だ…。

まぁ、具体的な答えは何も出ていないんだがな…でも、答えへの道は繋がった。

サヨの記憶を取り戻す答え。それは、間違いなく『あの男』が握っている…。

サヨが連れ去られた時、まだサヨは俺の知っているサヨだった。そして、助けに行った時、もうサヨは何かがおかしかった…。

サヨが連れ去られてから、俺が駆けつけるまでの空白の30分…その間に、サヨの身に何かが起きたのだ。

多分それが直接的な原因だ…そして、その答えを知ってい人間はあいつだけだ。

あの『血のクリスマスイブ』の主犯にして元凶…『ケイタ』なら、何か答えを握っている筈だ。

待っていろサヨ…俺は、必ずお前を元のサヨに戻してやるからな。
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