365回の軌跡
事務所のドアを開ける。
「帰りました~!」
「お疲れ様。ちょうどよかった、宮川さんちょっといい?」
パソコンから顔を上げた責任者の黒沢さんが私を呼んだ。
「なんですか?」
「実はね、新しいお客さんが入ってきたのよ。宮川さんにもお願いしようと思って。」
「いいですよ!内容は?」
「1日3回のオムツ交換。女性の方で問題はないんだけど、一つ注意点があるの。」
「なんですか?」
「末期の癌患者なの。お医者さんからは持って余命あと1ヶ月って言われてるわ。ただ本人にはそのことを伏せてあるの。精神的に絶えられないんじゃないかって。」
「…そうですか」
「だから悟られないように注意して。それから旦那さんと二人暮らしで家事とかの世話は旦那さんがやってるわ。娘さんがいるけど遠くに住んでるから、なかなか来れないの。ただ旦那さんは最後は家でってお医者にお願いしたらしいの。自分が大変になるけど、そうしたいって」
「分かりました。良い旦那さんですね!いつからですか?」
「明日、私と一緒に行きましょう」
私はスケジュール表に書き込んでから、想像した。きっと仲の良い夫婦なんだろうな。でも新しい所はいつも緊張する。頑張ろっと。
「帰りました~!」
「お疲れ様。ちょうどよかった、宮川さんちょっといい?」
パソコンから顔を上げた責任者の黒沢さんが私を呼んだ。
「なんですか?」
「実はね、新しいお客さんが入ってきたのよ。宮川さんにもお願いしようと思って。」
「いいですよ!内容は?」
「1日3回のオムツ交換。女性の方で問題はないんだけど、一つ注意点があるの。」
「なんですか?」
「末期の癌患者なの。お医者さんからは持って余命あと1ヶ月って言われてるわ。ただ本人にはそのことを伏せてあるの。精神的に絶えられないんじゃないかって。」
「…そうですか」
「だから悟られないように注意して。それから旦那さんと二人暮らしで家事とかの世話は旦那さんがやってるわ。娘さんがいるけど遠くに住んでるから、なかなか来れないの。ただ旦那さんは最後は家でってお医者にお願いしたらしいの。自分が大変になるけど、そうしたいって」
「分かりました。良い旦那さんですね!いつからですか?」
「明日、私と一緒に行きましょう」
私はスケジュール表に書き込んでから、想像した。きっと仲の良い夫婦なんだろうな。でも新しい所はいつも緊張する。頑張ろっと。