365回の軌跡
「でさ~、沙紀はもう完璧に忘れられたわけ?彼のこと」
缶酎ハイを片手に麻耶が聞いてくる。
「最初は辛かったけど、今は何も感じない。なんか浄化できた感じ」
私もほろ酔いで答える。
「遥は絶対無理だな~。すごい時間かかる」
お酒に弱い遥は顔が紅潮している。
「でも沙紀って昔から、どっちかって言ったら男っぽかったもんね~。だから意外にあっさりしてるのかも」
「でも付き合ってた時はあんなに舞い上がってたのにね」
麻耶と遥が私を分析し始める。
「でも意外だったのが、沙紀って結構男に貢ぐ感じなんだね」
麻耶が私に笑顔で話してくる。
「えっ、そうなんだ!」
遥はビックリした顔になる。
「結構高い物プレゼントしてたんじゃないの?」
私は記憶を辿ってみた。誕生日はお互いに近い日だったこともあって、2人でペアリングを買って交換した。クリスマスだって手編みのマフラーをあげた。あんなことしたことなかったから大分苦戦したのを覚えている。一年間でプレゼントをあげたのは確かその二回のはずだ。高価な物なんてあげてない筈だが…。
「高い物なんてあげた事ないよ!貢ぐなんてそんな…」
麻耶はニヤリと笑うと、
「さっき傘置くときに見ちゃったんだけどさ~、あの傘、滅茶苦茶高いと思うんだけど」
傘…?私は一瞬考え、思い当たった。達也と別れた夜、知らない人から借りた傘だ。すっかり忘れていた。
缶酎ハイを片手に麻耶が聞いてくる。
「最初は辛かったけど、今は何も感じない。なんか浄化できた感じ」
私もほろ酔いで答える。
「遥は絶対無理だな~。すごい時間かかる」
お酒に弱い遥は顔が紅潮している。
「でも沙紀って昔から、どっちかって言ったら男っぽかったもんね~。だから意外にあっさりしてるのかも」
「でも付き合ってた時はあんなに舞い上がってたのにね」
麻耶と遥が私を分析し始める。
「でも意外だったのが、沙紀って結構男に貢ぐ感じなんだね」
麻耶が私に笑顔で話してくる。
「えっ、そうなんだ!」
遥はビックリした顔になる。
「結構高い物プレゼントしてたんじゃないの?」
私は記憶を辿ってみた。誕生日はお互いに近い日だったこともあって、2人でペアリングを買って交換した。クリスマスだって手編みのマフラーをあげた。あんなことしたことなかったから大分苦戦したのを覚えている。一年間でプレゼントをあげたのは確かその二回のはずだ。高価な物なんてあげてない筈だが…。
「高い物なんてあげた事ないよ!貢ぐなんてそんな…」
麻耶はニヤリと笑うと、
「さっき傘置くときに見ちゃったんだけどさ~、あの傘、滅茶苦茶高いと思うんだけど」
傘…?私は一瞬考え、思い当たった。達也と別れた夜、知らない人から借りた傘だ。すっかり忘れていた。