365回の軌跡
「じゃあ沙紀、なんで東京に出てきたの?」
夕日が沈んだ空は目に見える速さで暗くなっていく。
「それは純粋に独り暮らしをしたくて。それに東京に憧れてたしね」
私はそこで一呼吸置くと、
「ま、お父さんには大反対にあったけどね」
と溜め息まじりに言った。
「東京行くの、賛成してもらえなかったんだ?」
「うん、実はまだ許してもらえてないんだよね。東京来て五年、未だにあれからお父さんと会話してない」
「え?!」
優雨はビックリした顔で私を見る。
「お父さんも頑固なんだよ。ウチのお父さん、大工なの。職人気質っていうの?とにかく頑固で口下手でさ。ま、許してくれないんだから、話のしようがないよね」
「でもお父さんも心配なんだよ。沙紀から話してみたら?」
私は大袈裟に首を振った。
「いいのいいの、お母さんとは時々電話してるし大丈夫でしょ」
私は上を見上げた。
夕日が沈んだ空は目に見える速さで暗くなっていく。
「それは純粋に独り暮らしをしたくて。それに東京に憧れてたしね」
私はそこで一呼吸置くと、
「ま、お父さんには大反対にあったけどね」
と溜め息まじりに言った。
「東京行くの、賛成してもらえなかったんだ?」
「うん、実はまだ許してもらえてないんだよね。東京来て五年、未だにあれからお父さんと会話してない」
「え?!」
優雨はビックリした顔で私を見る。
「お父さんも頑固なんだよ。ウチのお父さん、大工なの。職人気質っていうの?とにかく頑固で口下手でさ。ま、許してくれないんだから、話のしようがないよね」
「でもお父さんも心配なんだよ。沙紀から話してみたら?」
私は大袈裟に首を振った。
「いいのいいの、お母さんとは時々電話してるし大丈夫でしょ」
私は上を見上げた。