ロ包 ロ孝
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
またいつもと変わらぬ朝がやって来た。ほんの少しの変化と言えば、栗原と里美が配置換えで違う課に転属になった事と、直下に課長代理が出来た事だ。
彼は俺の仕事を全て把握していて、何かの際(つまりエージェントとしての任務がある時)には完璧に仕事の代行をするようになっている。
考えてみれば、そのポジションは相当ストレスフルだと思われるので心苦しいが、代行を付けてくれる会社の高配に甘えていられる内が『華』だとも言える。
ここはひとつ、ノビノビやらせて貰うとしようか。
∴◇∴◇∴◇∴
今日はトラブル処理で時間が経つのが早かった。朝の挨拶が済んだと思ったらもう『トップオブザマウンテン』で煙草を吹かしている俺に、耳慣れない声が呼び掛けて来た。
「課長。お寛ぎの所を失礼します」
課長代理の三浦だった。
「三浦さんもここで昼食を?」
「いえ、私は弁当なので……ここにはコーヒーを飲みに来るんです」
今迄違う部で働いていたので、三浦の事は余り良く知らない。俺は立ったままで姿勢を崩さない彼に椅子を勧めた。
「どうぞこちらに」
「では、失礼致します」
ここトップオブザマウンテン、いや『山乃上給食』の山乃上社長は大のコーヒー党で、器具にも豆にもかなり拘っている。しかも一杯が缶コーヒーと同じ値段とあっては、社内のファンが多いのも頷ける。
「旨いらしいですよね、私は普段コーヒーを飲まないので……もっぱらコレなんですが」
俺はびんに入ったコーラの残りをグラスに注いだ。
「コーラも好きですよ? 私もたまに欲しくなります。あの、ひとつ伺っても宜しいでしょうか……」
「ああ、おはよう」
またいつもと変わらぬ朝がやって来た。ほんの少しの変化と言えば、栗原と里美が配置換えで違う課に転属になった事と、直下に課長代理が出来た事だ。
彼は俺の仕事を全て把握していて、何かの際(つまりエージェントとしての任務がある時)には完璧に仕事の代行をするようになっている。
考えてみれば、そのポジションは相当ストレスフルだと思われるので心苦しいが、代行を付けてくれる会社の高配に甘えていられる内が『華』だとも言える。
ここはひとつ、ノビノビやらせて貰うとしようか。
∴◇∴◇∴◇∴
今日はトラブル処理で時間が経つのが早かった。朝の挨拶が済んだと思ったらもう『トップオブザマウンテン』で煙草を吹かしている俺に、耳慣れない声が呼び掛けて来た。
「課長。お寛ぎの所を失礼します」
課長代理の三浦だった。
「三浦さんもここで昼食を?」
「いえ、私は弁当なので……ここにはコーヒーを飲みに来るんです」
今迄違う部で働いていたので、三浦の事は余り良く知らない。俺は立ったままで姿勢を崩さない彼に椅子を勧めた。
「どうぞこちらに」
「では、失礼致します」
ここトップオブザマウンテン、いや『山乃上給食』の山乃上社長は大のコーヒー党で、器具にも豆にもかなり拘っている。しかも一杯が缶コーヒーと同じ値段とあっては、社内のファンが多いのも頷ける。
「旨いらしいですよね、私は普段コーヒーを飲まないので……もっぱらコレなんですが」
俺はびんに入ったコーラの残りをグラスに注いだ。
「コーラも好きですよ? 私もたまに欲しくなります。あの、ひとつ伺っても宜しいでしょうか……」