ロ包 ロ孝
「終わりました」
1階に降り立って俺がそう告げたのを合図に、バタバタと階段を駆け上がっていく警官達。そして犯人が連行され、人質達も無事保護された。
現場の喧騒が納まってきた頃に、指揮を執っていた刑事が挨拶に来た。
「この度はご協力有難うございました。また宜しくお願いします」
彼は深々と頭を下げた。俺達の扱いは、総理大臣直轄の犯罪対策特別チームという事になっている。この立場はかなり気分がいい。
───────
「ああ、今日の一件で気付いたんですが、やっぱり秘密保持の為に対策を講じなければならないと僕は思いました」
初オペレーション終了という事で、北田と共にミーティングを行っている。
早急に対策を迫られているのは、彼の軽口その一点だと思うが……。
「ああ、ええ。今回の場合、犯人や人質に術の存在を知らせてしまう危険性が有りました。いや、多分何の予備知識も持ち合わせていないであろう彼らは『あれは一体なんだったんだろう』との疑問をいだいている事でしょう。今後、報道管制を引くにも限界が有りますし、坂本さん達各々の素性がバレてしまう危険も孕んでいます。術の存在を知られない為の解決策として……如何でしょう、少し格好は悪いですがダミーの銃を持ってみては」
自分がベラベラ喋ってしまう事を、全く無かった物の如く棚に上げている点は納得行かないが、状況判断と問題解決能力には目を見張る物がある。
「なるほど。術の破壊力を、最新兵器の能力に見せ掛ける訳ですね?」
「ああ、そうです。それともうひとつ、これは我々が開発中の最新器具なんですが……」
北田はパソコンに映った画面を見せながら説明を始める。
1階に降り立って俺がそう告げたのを合図に、バタバタと階段を駆け上がっていく警官達。そして犯人が連行され、人質達も無事保護された。
現場の喧騒が納まってきた頃に、指揮を執っていた刑事が挨拶に来た。
「この度はご協力有難うございました。また宜しくお願いします」
彼は深々と頭を下げた。俺達の扱いは、総理大臣直轄の犯罪対策特別チームという事になっている。この立場はかなり気分がいい。
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「ああ、今日の一件で気付いたんですが、やっぱり秘密保持の為に対策を講じなければならないと僕は思いました」
初オペレーション終了という事で、北田と共にミーティングを行っている。
早急に対策を迫られているのは、彼の軽口その一点だと思うが……。
「ああ、ええ。今回の場合、犯人や人質に術の存在を知らせてしまう危険性が有りました。いや、多分何の予備知識も持ち合わせていないであろう彼らは『あれは一体なんだったんだろう』との疑問をいだいている事でしょう。今後、報道管制を引くにも限界が有りますし、坂本さん達各々の素性がバレてしまう危険も孕んでいます。術の存在を知られない為の解決策として……如何でしょう、少し格好は悪いですがダミーの銃を持ってみては」
自分がベラベラ喋ってしまう事を、全く無かった物の如く棚に上げている点は納得行かないが、状況判断と問題解決能力には目を見張る物がある。
「なるほど。術の破壊力を、最新兵器の能力に見せ掛ける訳ですね?」
「ああ、そうです。それともうひとつ、これは我々が開発中の最新器具なんですが……」
北田はパソコンに映った画面を見せながら説明を始める。