ロ包 ロ孝
「そろそろいい歳だし、少しは大人の味も嗜まないとさ」
「ははは、何言ってんの。ディープとライトが有るけど、どっちがいい?」
「んじゃ、ライトで」
彼に歩み寄る気などは更々無かったが、今日はなんとなくコーヒーを注文したかったのだ。
暫くして、芳しく匂い立つコーヒーカップが供された。
「はい、お待ちどお」
まずはブラックで啜ってみる。
「ああなるほど。これは旨い」
濃過ぎず、豆の薫りが立っていて酸味を押さえたその味は、喉ごしも爽やかでさっぱりとした物だった。
「隣、よろしいですか?」
そう言いながら三浦が持って来たトレイには、少し汗をかいたコーラのグラスが乗っている。
俺達は顔を見合わせて笑った。
∴◇∴◇∴◇∴
「ねぇ聞いてよ聞いてよぉ!」
栗原に教えて貰ったカラオケ屋『ヴァシーラ』
3人で料理に舌鼓を打ちながらミーティングだ。
「いや、ほんと旨いな。ほら里美も喰ってみろって!」
俺は牛のタタキを堪能していた。
「アタシは話を聞いて欲しいの! 聞いてってばぁ」
里美はすっかり出来上がっている。空きっ腹に飲むからだ。
「栗原っ、ちょっとこっち来なさい!」
彼は頭をかかえられ、胸にぐりぐり押し付けられている。
「ぅにゃ〜ん」
彼の細めた目は糸のようになっている。
幸せそうだな、栗原。
始めの内は嫉妬で胸が焦がされるようだった俺も、今ではこれがすっかり日常となってしまっていた。自分で言うのもなんだが、俺の適応力もなかなか大した物だ。
「根岸さんが居なかったから北田にスーツの話をしたのよ。そしたらアイツ何て言ったと思う?
『そんな邪魔な肉を付けてるからいけないんでしょ?』って抜かしたのよ?」
「ははは、何言ってんの。ディープとライトが有るけど、どっちがいい?」
「んじゃ、ライトで」
彼に歩み寄る気などは更々無かったが、今日はなんとなくコーヒーを注文したかったのだ。
暫くして、芳しく匂い立つコーヒーカップが供された。
「はい、お待ちどお」
まずはブラックで啜ってみる。
「ああなるほど。これは旨い」
濃過ぎず、豆の薫りが立っていて酸味を押さえたその味は、喉ごしも爽やかでさっぱりとした物だった。
「隣、よろしいですか?」
そう言いながら三浦が持って来たトレイには、少し汗をかいたコーラのグラスが乗っている。
俺達は顔を見合わせて笑った。
∴◇∴◇∴◇∴
「ねぇ聞いてよ聞いてよぉ!」
栗原に教えて貰ったカラオケ屋『ヴァシーラ』
3人で料理に舌鼓を打ちながらミーティングだ。
「いや、ほんと旨いな。ほら里美も喰ってみろって!」
俺は牛のタタキを堪能していた。
「アタシは話を聞いて欲しいの! 聞いてってばぁ」
里美はすっかり出来上がっている。空きっ腹に飲むからだ。
「栗原っ、ちょっとこっち来なさい!」
彼は頭をかかえられ、胸にぐりぐり押し付けられている。
「ぅにゃ〜ん」
彼の細めた目は糸のようになっている。
幸せそうだな、栗原。
始めの内は嫉妬で胸が焦がされるようだった俺も、今ではこれがすっかり日常となってしまっていた。自分で言うのもなんだが、俺の適応力もなかなか大した物だ。
「根岸さんが居なかったから北田にスーツの話をしたのよ。そしたらアイツ何て言ったと思う?
『そんな邪魔な肉を付けてるからいけないんでしょ?』って抜かしたのよ?」