ロ包 ロ孝
「お気遣い有り難うございます。でも大丈夫ですよ、課長。私は音力に誘って戴いて感謝しているんです。
 【兵】だけでも風邪ひとつひかなくなりましたし、心なしか快活になった気もします。
 私に取っては大きな成果です。本当に有り難うございました」

 三浦も納得してくれているようだし、くよくよ考えても仕方がない。仕事上でのパートナーシップを強固にして支え合っていくことが、せめてもの罪滅ぼしだ。


∴◇∴◇∴◇∴


 ヴァシーラにて。

「坂本さん。サイコキ熱し酢炒め、もう食べました? 俺まだ喰ってないんすよ」

「ああ喰った喰った。サイコロステーキの肉で野菜を炒めてあって、プルコギと甘酢のアンで和えてあるんだ。ミスマッチなようでこれが中々いけるんだ」

「ヨシッ。次は絶対食うぞ!」

 栗原は無駄に気合いを入れている。

「でも、社長も変わってるわよね。始めにタイトル有りきでメニューを作っちゃうんだから」

 ハルマゲドンにサイコキネシスと来たから次はテレポーテーション辺りだろうか……。

「里美もたまにはあそこで喰ってみろよ、美味いから」

「駄目っスよ! 里美さんがトップオブザマウンテンなんかで飯喰ってたら、見学者で溢れちゃいますよ?」

「どうして」

「坂本さんと付き合ってるとはいえ、未だ里美さんは我が社のナンバーワンオナドルっすからね!」

 ほう。それじゃ付き合ってる俺も鼻が高いな。って……オナドルってなんだ! オナドルって!

里美を見やると上目遣いにこちらを見ながら、舌でチロチロと唇を舐めている。

「やっぱし里美さんはエロいっすからネェ。まさにリアル着エロですよ!」


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