ロ包 ロ孝
「はぁっ、ああ、ご苦労様です。音力から来ました北川です」
小1時間もすると愛用のノートパソコンを持って北田が現れた。
「やだ、北ちゃん。あたし達しか居ない所で北ちゃんが偽名を使っても仕方ないじゃない!」
これは偽名じゃない。北田はまだ拗ねているのだ。でも相当急いで来てくれたのだろう、かなり息が上がっていた。
「ああ、はあっ、ああ早速ですが、素案を3点作って来ましたので見て下さい」
おおっ? 口数は少ないが機嫌は悪そうじゃないな。動きもいつもより更にキビキビしてるし。
北田の持ってきたチラシの案は真面目風が2点、おちゃらけ風が1点だった。
「坂本さん、いや坂口さん。これ面白いですよ!」
「なになに、
自警団活動が貴方を変える?
自警団を知らずにモヤシっ子と呼ばれていた頃の私……
自警団活動をして自信満々の私?
プッ自警団に入ったからってこんなにマッチョになるわけないって、ははは」
良く見る筋肉増強器具の広告のパロディだった。北田はマンガのセンスもナカナカだ。
「じゃあ、この使用前・使用後のパターンでお願いしますよ」
「あ、ああ? それは冗談のつもりだったんですけど、いいんですか? それで」
他の2つはクソ真面目過ぎる。どうせなら冗談が通じる団員の方が楽しそうではないか!
「ええ。これでお願いします」
∴◇∴◇∴◇∴
「海袋サン・フラワー通り商店街自警団『海袋エンジェルス』です。団員募集中です。
宜しくお願いしまぁす」
こんな人ごみの中で大きな声を出しているなんて何年ぶりだろう。ボーイスカウトの時にやった『赤い羽共同募金』以来だろうか。
小1時間もすると愛用のノートパソコンを持って北田が現れた。
「やだ、北ちゃん。あたし達しか居ない所で北ちゃんが偽名を使っても仕方ないじゃない!」
これは偽名じゃない。北田はまだ拗ねているのだ。でも相当急いで来てくれたのだろう、かなり息が上がっていた。
「ああ、はあっ、ああ早速ですが、素案を3点作って来ましたので見て下さい」
おおっ? 口数は少ないが機嫌は悪そうじゃないな。動きもいつもより更にキビキビしてるし。
北田の持ってきたチラシの案は真面目風が2点、おちゃらけ風が1点だった。
「坂本さん、いや坂口さん。これ面白いですよ!」
「なになに、
自警団活動が貴方を変える?
自警団を知らずにモヤシっ子と呼ばれていた頃の私……
自警団活動をして自信満々の私?
プッ自警団に入ったからってこんなにマッチョになるわけないって、ははは」
良く見る筋肉増強器具の広告のパロディだった。北田はマンガのセンスもナカナカだ。
「じゃあ、この使用前・使用後のパターンでお願いしますよ」
「あ、ああ? それは冗談のつもりだったんですけど、いいんですか? それで」
他の2つはクソ真面目過ぎる。どうせなら冗談が通じる団員の方が楽しそうではないか!
「ええ。これでお願いします」
∴◇∴◇∴◇∴
「海袋サン・フラワー通り商店街自警団『海袋エンジェルス』です。団員募集中です。
宜しくお願いしまぁす」
こんな人ごみの中で大きな声を出しているなんて何年ぶりだろう。ボーイスカウトの時にやった『赤い羽共同募金』以来だろうか。