ロ包 ロ孝
 しかしそれがきっかけとなり次々と競うように花輪が届いた。我らが事務所はさながら新装開店したパチンコ屋のようになっている。


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「……所轄からの報告では我々が捕らえたグループが、主たる犯行を行っていたようだ」

 深夜の巡回を終え、メンバーを集めて報告会を行った。

「自分もその場に居たかったですよ」

 渡辺が悔しそうに言う。

「それで……急な話で申し訳ないんだが、我々3人は今回の件を以て退団する事になった」

 メンバー達が色めき立つ。

「ええっ? 一体どうして」

「海袋エンジェルスは解散……ですか?」

「そんなぁ!」

 30人以上の猛者達が口々に声を上げたので、事務所内は一瞬怒号の渦と化した。

「静かにしてぇえ、みんな静かにぃぃ」

 里美がその場を収めようと声を掛けるが、一向に変化が無い。

「くぉらぁっ! 静かにしろって言ってるだろぉっ!!」

 里美の本気の大声で、事務所内は水を打ったように静まり返った。

「……コホン。ああ……この自警団『海袋エンジェルス』は、我々が居なくてもちゃんと運営して行けるだろう?
 今回、賊の確保に関われなかったメンバーも引き続き邁進して欲しいと思う」

 俺達は宗教上の都合から、他の地域でもこういった草の根運動をやらなければならないので、後は渡辺達に託したいと続けた。

暫らく沈黙が続いたが、渡辺が明るい声でそれを破る。

「解りましたよ。坂口さん達の遺志は、自分らが引き継ぎます。安心して成仏して下さい」

「達っつぁん! 俺らはまだ死んでないっつうのっ!」

「折角仲良くなれたのに、ホント残念ね」

 栗原も里美も少し寂しそうだ。


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