ロ包 ロ孝
『やはり忍法を修行しているだけあって凄まじい機動力だったようなのです。
 こちらの予想に反した大きい取り引きで、賊の数も銃火器の数も多数だったらしく、かなり激しい抵抗が有ったそうなのですが……』

 いくら完璧に近い防弾性を誇るバトルスーツを着ていても、初めての現場が銃弾の飛び交う修羅場では、相当な恐怖感が有ったに違いない。

「み、三浦達に怪我は?!」

 慌てて質問した俺を宥めるように根岸は答える。

『それが、ご心配には及びません。三浦さん達は、術と刀であっという間に賊を制圧してしまったそうなのです。
 勿論、刀での攻撃は峰打ちなので死者は出ていません』

「それは凄い!」

『怪我どころか、バトルスーツに傷一つ付いていなかったようなのです』

 ……良かった。これで三浦を蔑んでいたヤツラも彼に一目置くようになるだろう。

『今は北田とミーティングを行っているのではないかと思われます』

 俺は根岸との通話を終え、渡辺達の所へ取って返すと「また詳しいことは岡崎君を交えて説明するよ」と約束し、尚一層修練に励むよう念を押して別れた。

「ああもしもし北さん? お疲れさんでした。
 三浦さんのチーム、首尾良く最初のオペレーションをこなしたそうじゃないですか!」

『ああ、ええ。今そのミーティングをしている所です』

 北田の声も心なしか弾んでいるように聞こえる。

「お邪魔じゃなかったら伺ってもいいですか?」

 事件のあった縁馬(ヘリマ)迄は、ここから電車で10分程だ。30分も有れば移動出来るだろう。

『ああ、どうぞ。トランスポーターの中に居ますので、近くに来たら連絡下さい。それで聞いて下さいよ! うちの根岸が……』


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