ロ包 ロ孝
暫らく北田の愚痴に付き合いながら海袋駅へ戻り、西部海袋線で縁馬へと向かう。
北田が言っていたトランスポーターというのは俺達が使用する移動用の車両で、バトルスーツやダミー銃、フェイスストレッチャー等の備品を搭載し、簡単なミーティングルームとしても使用出来る多目的バスだ。
バトルスーツと同じ黒一色で塗られているから、一見すると右翼の街宣車に見えてしまうのが難点だが。
「すいません。お邪魔します」
駅からの道はさほど入り組んでいなかったので、トランスポーターの場所はすぐに解った。
「こんな住宅地の真ん中で銃撃戦が起こったなんて、考えただけでもゾッとしますね」
中へ入り、車体後部に備えられているミーティングスペースへと移動しながら誰へともなく俺は言った。
「坂本さん! わざわざ有り難うございます。
周辺住民に被害が及ばないようにするのは大変でしたよ」
満面の笑みで返して来た三浦はまだバトルスーツのままで、つい先程迄死闘を繰り広げていた事を伺わせる。
「みんな、坂本さんだ。今の音力の元を創った方だよ」
「そんな大層な。たまたま最初から関わってただけですよ」
俺は大袈裟に手を振って三浦の発言を取り消した。他のメンバー達は無言のままである。
「北さんはどこへ?」
「は、はい。飲み物を買ってくるって丁度出掛けた所です」
三浦だけが俺の質問に答える。他のメンバーはずっと黙ったままだ。改めてその場に居る面々を見回すと、何か微妙な違和感を覚えた。
三浦は他のメンバーに遠慮気味だし、その3人はと言えば何か憮然とした態度を取っているようにも見える。この居心地の悪さは一体何だろう。
北田が言っていたトランスポーターというのは俺達が使用する移動用の車両で、バトルスーツやダミー銃、フェイスストレッチャー等の備品を搭載し、簡単なミーティングルームとしても使用出来る多目的バスだ。
バトルスーツと同じ黒一色で塗られているから、一見すると右翼の街宣車に見えてしまうのが難点だが。
「すいません。お邪魔します」
駅からの道はさほど入り組んでいなかったので、トランスポーターの場所はすぐに解った。
「こんな住宅地の真ん中で銃撃戦が起こったなんて、考えただけでもゾッとしますね」
中へ入り、車体後部に備えられているミーティングスペースへと移動しながら誰へともなく俺は言った。
「坂本さん! わざわざ有り難うございます。
周辺住民に被害が及ばないようにするのは大変でしたよ」
満面の笑みで返して来た三浦はまだバトルスーツのままで、つい先程迄死闘を繰り広げていた事を伺わせる。
「みんな、坂本さんだ。今の音力の元を創った方だよ」
「そんな大層な。たまたま最初から関わってただけですよ」
俺は大袈裟に手を振って三浦の発言を取り消した。他のメンバー達は無言のままである。
「北さんはどこへ?」
「は、はい。飲み物を買ってくるって丁度出掛けた所です」
三浦だけが俺の質問に答える。他のメンバーはずっと黙ったままだ。改めてその場に居る面々を見回すと、何か微妙な違和感を覚えた。
三浦は他のメンバーに遠慮気味だし、その3人はと言えば何か憮然とした態度を取っているようにも見える。この居心地の悪さは一体何だろう。