ロ包 ロ孝
 多分今回の合同オペレーションは、三浦チームのメンバーから余り良く思われていないのであろう。彼の声の調子からもそれが如実に伝わってきた。

「もしもし、ああ私だ。……いよいよだな。
 よし解った、すぐ急行する。
 坂本さん、始まりました」

 そうしている間に古内警部補へ電話が入った。『猛虎』の手の者が『北討連合』の事務所に押し入ったという。

俺達は早速古内警部補の運転で、現場の脇に有る狭い路地へ急行した。しかし周辺道路は黒塗りの車や族まがいの改造車で溢れていて、スピードを出す事が出来ない。

「まずいですよ? これ。
 もしかすると……こんな調子では、機動隊のバスがここ迄入って来るのは難しいかも知れません」

「そうですな。道が狭い上に、路駐が多過ぎますな」

  キキィーッ バタンバタンッ

 俺達が現場に到着すると程なくして、三浦のチームが覆面パトカーで駆け付けた。彼は降り立つなり俺の所へやって来て、頭を深々と下げて言う。

「……坂本さんすいません。我々は先に突入させて貰います」

  ザザッ!

 言うが早いか三浦達は脱兎の如く現場に消えて行った。

「ちょっ、待っ……」

  パン パパンッ

 短銃特有の乾いた音が閑静な住宅街に響き渡る。

「里美! 栗原! 俺達は賊共の銃を捨てさせに行くぞ!」

「はいっ」「解ったわ」

 三浦達が走って行った後を追う。事務所の入り口にはまだ子供の面影が残っている少年達と、いかにも人相の悪いオヤジ達が折り重なるようにして倒れている。

「うわぁ、こりゃヤバくないすか?」

「死んでるのか?」

「ちょっと待って」

 首筋に指を当て、脈を診ていた里美が言った。


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