ロ包 ロ孝
「息は有るみたい。多分三浦さん達がやったんだわ」

「峰打ちで黙らせたのか。さすがだな」

  パン パパンパンッ!

 息つく暇もなくまた銃声が上がった。

「このやろう、殺してやる!」

 中からの怒声も聞こえて来る、まごまごしてはいられない。

「俺が先頭で入るから、栗原は俺の前に【列】をすぐ張れるようにスタンバっておけ。
 里美は後方支援だ。【皆】を放ちまくれ」

 俺達は準備万端で乗り込んだ。しかし賊の抵抗は全く無い。

「……これ、一体どうなってるんだ?」

 通路は気を失ったり動けなくなったりして横たわる賊で、足の踏み場にも困る程の状況だ。

やっとの事で辿り着いた主な戦場は、一階奥の大広間のようだったが、そこには『猛虎』と『北討連合』がただ入り乱れて転がっているのみだ。

うめき声を上げながらのたうち回っている者も僅かに居たが、急所を上手く突かれているのか、横たわる賊の殆どは沈黙して動かなかった。

「これを彼ら4人でやったのか?」

 俺はまるで映画でも見ているような気分でその場に立ち尽くした。

  ガタガタッ ドスン

「さ、坂本さん! 2階!」

 栗原の声で現実に引き戻された俺は、2人を従え階段を駆けのぼる。そこでも三浦達の活躍はめざましく、残った2、3人の賊も、

  ドスッ バシッ

「ゥギャッ」「オワッ」

 あっという間に打ちのめされている。

「こりゃあ凄い!」

 俺は思わず驚嘆の声を上げていた。

「おやおや、やっとお見えになりましたか。
 トップエージェントともなると余裕ですね、坂本さん」

 三浦チームの関が薄笑いを浮かべながら近付いて来る。


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