ロ包 ロ孝
「関さん、俺……」
「もう喋るな秋山。腕を出せ」
関は持っていた注射器で秋山の血管に透明な液体を注入した。
「お世話になりました」
パララララッ
ピュン ドピュン チュインッ!
足元に着弾した弾丸が火花と砂煙を上げる。
「まずいぞ、機銃掃射だ。戦車が何台もこちらに向かって来ている! みんな、【列】を張れ、ヮァァァアア」
シュシュルルルル……
ドカァーァン!
飛び散った瓦礫が【列】に突き刺さる。
「主砲を撃ってきた! 奴ら、宮殿を破壊する気かっ! 正気じゃない。一旦下がるぞ」
「下がるって関さんっ! 撃たれた秋山はどうするんですか?」
「忍びの掟に従った。……心配要らない。苦しまずに逝ったよ」
「秋山が?」
「【者】で下がるぞ! フゥゥゥウ」
「えっ? 秋山っ……くっ、クッソォ! フゥゥゥウウ」
仲間の足手まといになる者は葬り去るのが忍びの掟だ。
関が注入したのは、テトロドトキシン系の毒とデルモルフィン系の麻酔薬を混合した薬だったのだ。
「あそこに走り込め!」
後ろに有った小高い丘に貼り付くように身を潜めて、関達は態勢を整える。
シュシュルシュルシュルルルルゥ ドガァァアアン!
砲撃は止まず、吹き上げられた砂塵が雨のように降り注いでいる。
「関さん。俺達も死ぬんですかっ? 秋山みたいに!」
「迷いは己を弱くする! 忍の掟を思い出せ! 勝機は作り出すものだ、田中!」
仲間の死を目の前にして、すっかり弱腰になってしまった彼の肩を揺さぶる関。
「すいません、そうですよね。やります、やってやりますとも!」
「そうだ田中。見たところ歩兵は居ない。戦車に向けて、威力を一点に絞った【前】を3人同時に放つぞ! ぬぅおぉぉぉぉお」
「ぬぉおぉぉぉお」
「くっそお! やってやる! ぬぉおぉぉぉおお」
「もう喋るな秋山。腕を出せ」
関は持っていた注射器で秋山の血管に透明な液体を注入した。
「お世話になりました」
パララララッ
ピュン ドピュン チュインッ!
足元に着弾した弾丸が火花と砂煙を上げる。
「まずいぞ、機銃掃射だ。戦車が何台もこちらに向かって来ている! みんな、【列】を張れ、ヮァァァアア」
シュシュルルルル……
ドカァーァン!
飛び散った瓦礫が【列】に突き刺さる。
「主砲を撃ってきた! 奴ら、宮殿を破壊する気かっ! 正気じゃない。一旦下がるぞ」
「下がるって関さんっ! 撃たれた秋山はどうするんですか?」
「忍びの掟に従った。……心配要らない。苦しまずに逝ったよ」
「秋山が?」
「【者】で下がるぞ! フゥゥゥウ」
「えっ? 秋山っ……くっ、クッソォ! フゥゥゥウウ」
仲間の足手まといになる者は葬り去るのが忍びの掟だ。
関が注入したのは、テトロドトキシン系の毒とデルモルフィン系の麻酔薬を混合した薬だったのだ。
「あそこに走り込め!」
後ろに有った小高い丘に貼り付くように身を潜めて、関達は態勢を整える。
シュシュルシュルシュルルルルゥ ドガァァアアン!
砲撃は止まず、吹き上げられた砂塵が雨のように降り注いでいる。
「関さん。俺達も死ぬんですかっ? 秋山みたいに!」
「迷いは己を弱くする! 忍の掟を思い出せ! 勝機は作り出すものだ、田中!」
仲間の死を目の前にして、すっかり弱腰になってしまった彼の肩を揺さぶる関。
「すいません、そうですよね。やります、やってやりますとも!」
「そうだ田中。見たところ歩兵は居ない。戦車に向けて、威力を一点に絞った【前】を3人同時に放つぞ! ぬぅおぉぉぉぉお」
「ぬぉおぉぉぉお」
「くっそお! やってやる! ぬぉおぉぉぉおお」