ロ包 ロ孝
振り返って確認すると、遥か遠くに彼の金髪頭が認められた。
「達っつぁん! 達っつぁんか! 無事だったのか? みんなは!」
『それが……』
渡辺はこれ迄の経緯を話し始めた。
∴◇∴◇∴◇∴
渡辺達はその頃、ヘリのローター音を捉えていた。
「……確かにヘリです。これで助かりましたね!」
……パタ パタ パタバタバタバラバラララァ
音はどんどん近付いて来る。しかし双眼鏡で確認を急いでいた遠藤は眉をひそめて言った。
「でも山本さん。日本の国旗が付いたヘリがこんな所を飛ぶなんて、おかしくないですか? もしかして……罠なんじゃ」
ヘリにはでかでかと日本の国旗が書いてある。
「だって海の方から飛んできてるやないですか!」
「普通だったらカモフラージュを施す筈です。それにこちらの情報は漏れていたんですよ? 日本の船舶が海でゆっくり待機出来ると思いますか?」
「それって……どういう事ですのん」
ヘリはこの森を目指しているのでは無さそうだ。一度やり過ごして後ろからヘリの前に回り込み、様子を見る作戦が決まった。
「僕が行きます」
海袋エンジェスOBの中でも一番若い佐田が名乗りをあげる。彼の【者】は4倍力になる特別な【者】なのだ。
「いいか? 『さだ』無理はするなよ? お前は背はでかいけど痩せっぽちなんだからな」
佐田は飄々と答える。
「心配要らないですよ。それに僕は『さた』ですから」
渡辺達は【玄武】が途切れないよう交代で放ちながら佐田をバックアップする。
「頼んだぞ! フゥゥゥウ」
「任せて下さい。フゥゥゥゥウ」
彼独特の12倍力で瞬く間に走り去った佐田が、ヘリの前に回り込んだ時。
パララッ
短い発射音と血煙りが上がり、彼はゆっくりと崩れ落ちた。
「達っつぁん! 達っつぁんか! 無事だったのか? みんなは!」
『それが……』
渡辺はこれ迄の経緯を話し始めた。
∴◇∴◇∴◇∴
渡辺達はその頃、ヘリのローター音を捉えていた。
「……確かにヘリです。これで助かりましたね!」
……パタ パタ パタバタバタバラバラララァ
音はどんどん近付いて来る。しかし双眼鏡で確認を急いでいた遠藤は眉をひそめて言った。
「でも山本さん。日本の国旗が付いたヘリがこんな所を飛ぶなんて、おかしくないですか? もしかして……罠なんじゃ」
ヘリにはでかでかと日本の国旗が書いてある。
「だって海の方から飛んできてるやないですか!」
「普通だったらカモフラージュを施す筈です。それにこちらの情報は漏れていたんですよ? 日本の船舶が海でゆっくり待機出来ると思いますか?」
「それって……どういう事ですのん」
ヘリはこの森を目指しているのでは無さそうだ。一度やり過ごして後ろからヘリの前に回り込み、様子を見る作戦が決まった。
「僕が行きます」
海袋エンジェスOBの中でも一番若い佐田が名乗りをあげる。彼の【者】は4倍力になる特別な【者】なのだ。
「いいか? 『さだ』無理はするなよ? お前は背はでかいけど痩せっぽちなんだからな」
佐田は飄々と答える。
「心配要らないですよ。それに僕は『さた』ですから」
渡辺達は【玄武】が途切れないよう交代で放ちながら佐田をバックアップする。
「頼んだぞ! フゥゥゥウ」
「任せて下さい。フゥゥゥゥウ」
彼独特の12倍力で瞬く間に走り去った佐田が、ヘリの前に回り込んだ時。
パララッ
短い発射音と血煙りが上がり、彼はゆっくりと崩れ落ちた。