ロ包 ロ孝
  ズドカァァァァァン!

「ギャァッ」「キャァァァッ」

 山本達は【列】の張りが甘かった為、砲弾が貫通し、被弾してしまった。

「山本さんっ! 嘘だろっ」

 爆発で発生した煙に依って、彼らは一瞬視界を奪われる。

  バラバラッバラパラ パラ……

 さらに吹き飛ばされた地面の欠片が降り注ぎ、目を開けてもいられない。

立ち込めていた煙が晴れると、そこには山本1人が立ち尽くしていた。

「大丈夫ですか! 山本さん!」

「わ……私は何とか……けど他の3人は殺られてしまった……死んで……しもた」

 彼女の後ろで術を放っていた3人が居た場所は黒く焼け焦げ、醜く抉られた只の窪地と成り果てた。

そこから立ち昇る火薬と『人の焼けた臭い』が、残った彼らの鼻腔を容赦なく襲い、死への恐怖心を煽る。

渡辺は叫んだ。

「チックショォォオ! こんな所で死んでたまるかっ! 裏切り者に殺されてたまるかぁっ!」

 岡崎はうわ言のように「死ぬもんか死ぬもんか死ぬもんか」と繰り返している。

  ドンッ ドドンッ

  シュルシュルルル……

「続いて来るぞ! また3倍【列】だ。フゥゥゥゥウ」

「ヮァァァァァアアア」

  パラララララッ

「ギャッ」「ぉわああっ!」「ぅわぁっ!」

  シュルシュルシュル ドガァァァァーァン!!

『さ……か本さ……』

 【列】を張っていない背後からヘリの機銃掃射を受け、渡辺達が浮き足立った所へ敵の砲弾が炸裂した。

ひとたまりもない。

「た、達っつぁん。遠藤君、岡崎く……ああ、ああああっ、うわああああああっ!」

 俺は半狂乱になって彼らの居た場所へ走ってみたが、むせ返る程の血液臭の中に、誰とも解らない千切れた屍が散在するのみだった。

「誰か! 助かったヤツは居ないのかっ? 返事をしてくれっ!」


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