ロ包 ロ孝
「声が身体を駆け回っている」
乱暴に書きなぐられたノートの切れ端を握ったまま、砂浜に埋もれるようにして彼『垣貫』は息絶えていた。
目立った外傷も事故の痕跡も無く、普段から体調が優れないと周りにこぼしていた事等から「過労からの突然死」「事件性無し」として警察の捜査は打ち切られた。
しかし俺は釈然としなかった。
何故なら、垣貫の一件も『あのサークル』に属している者達へ次々と訪れている不幸の一連だったからだ。
警察はサークルの存在を知らないのか、それとも何らかの圧力が働いて黙殺せざるを得ないのか……。
いずれにしても俺は、背筋に寒いものを感じずには居られなかった。