君の虚実に恋してる
お姉占い師


「あなた、几帳面そうでお人好しに見られるでしょ。でも本当はおおざっぱ、ズボラ、人や自分の心に鈍い。どう当たってる?」


見た目、20代前半くらいのこの綺麗なお兄さん(お姉入ってる)は
今、占いファンの中で口コミになってる人相占い師。


占い好きなわたしはくいついて、つい来てしまった。

学割のきく良心的なお店で雰囲気も良かった。




店内に入ると黒いシャツと細身のパンツでシックに決めたお兄さんがいた。

ハーフのような少し色黒の肌に濃い顔立ちだった。
小さく高く盛り上がった鼻に
広い幅の二重の目が印象的な顔だ。

超絶イケメンだった。
こんなイケメンに占ってもらうの少し照れるかも。



「いらっしゃい。占い好きそうな顔ね」


…ん?


「ここに座ってもらえるかしら」


入って軽く後悔した。

この美形なお兄さん、お姉系…?
どんな女の子でも落とせてしまう容姿を持っているのに。
やっぱりそっち系なのかな。


「今全然混んでないから、いっぱいお話しあげるわね」

「あ、どうも…」

「ふふ、堅くならなくていいわよ」


ついじろっと見てしまう。
この顔に似合う、少し高めの声が女言葉で話す。
意外性の高さ。高すぎるわ。

顔だけ見るとドキドキしてしまったけど。
落ち着いて占ってもらえそうだ。


少し、いや大分混乱してるけど。


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