君の虚実に恋してる


部室には不機嫌な部長とわたしだけが残った。







「…」

「…」







しばしの沈黙。

き、気まずい…。


先に口を開いたのは部長だった。


「…エノキ、愚痴聞いてくんない?」

「いいに決まってるじゃないですか」

正直めずらしいことだ。
でも聞きたい、力になりたい。

困った顔をしないで。

いつもみたいに笑って。


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