君の虚実に恋してる
で、一週間が過ぎて今に至る。
「志野ちゃん…結構本能で動いてるのね」
レイさんがうんざりとでも言うような顔をしていた。
ううう…何も考えてなかったけど…。
「望みは…」
「…あはは」
レイさん、目を反らしながら笑わないで下さい…。
「ですよねー…」
鼻から期待してなかったけど、やっぱり切ないなあ。
「でも思ったより佐原くん駄目男ぽいから告白したらちょっとはましになるかもね」
「そんなヘタレなだけですよ!」
「それが、駄目男っていうの!」
ギャーギャー騒いでると、お店に新しいお客さんが来た。
「ふう…ここまでかしら。志野ちゃん少し気になるからアドレス貰える?」
「はい!」
レイさんのアドレスを頂いた。
なんだかとても高尚な数字の羅列に見えて嬉しい。
「絶対また来てね」
「いいんですか!?」
「当たり前でしょ!てか気になりすぎるの。絶対来なさい」
「はい!」
「それじゃあまたね」
「ありがとうございました~」
今日はレイさんと知り合いになれてよかったな。頼りになるお姉さん?が1人増えた気持ち。
相談して心にも余裕が出来たしそろそろ部活行くかな。
わたしはこの一週間一度も部室に行っていない。部長も気にしてしまうだろう。それは流石に申し訳ないし、明日はきちんと行こう。
そうして家路に辿り着いた。