君の虚実に恋してる


放課後が近づくにつれて心拍数が高まる。
久しぶりに会うというのはもっとわくわくするものじゃないのかなあ。



うう…。
この階段を登って左に曲がればそこは部室…。



すーはーすーはー

よし、入ろう!



「何してんだよ!」


…!?
今のは部長の声?




思わず立ち止まって聞こえる会話を聞いてしまう。


「やっぱりお前と浮気してたんだろ」


お前…?
も、もしかして!


「浮気?」


やっぱり!
この声はかっつ先輩だ!


「ばっくれんなよ。真由のかばんからメモ見つけたんだよ」

「何時の?」

「19日に晋の家って書いてあった」

「19日ねえ…悪いけど記憶にないな」

「晋ってお前のことだろ?」

「だろうな。北上と、か…確かに関係はあるよ」

「…お前っ」

「…俺からじゃないぞ?」

「…」

「全部、北上から、な」

「…っ」

「もう用はない?」

「…」

「じゃあ行くから」


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