君の虚実に恋してる


「このメンバーでバンドやってるんだっけ?見たことある?」

「いや、恥ずかしいからって呼んでくれないんです」

「ビンゴね。そこで女でも引っかけてるわね」

「うそー!」

「まあ信じにくい話だし、憶測も入ってるけど…」

「あんな真面目な人が…」

「第一真面目って時点ですでに仮面被ってんのよ」


いまいち納得出来なくて黙る。

「ま、信じなくていいよ。本当か確証ないし。なんとなくこの顔なんか企んでそうなのよね。あたしを信じるんだったら佐原くん好きなことは隠しておきなさい。利用されそう」

「あ、あの…」

「ん?」

「もう告ったのバレてるんですけど」

「…は?告ったの?」

「…う、はい」

「彼女いるのに!?」

「…ううー」

「馬鹿ねえ。しかも大魔神に知られてるのね」

大魔神って…。
かっつ先輩は良い人なのになあ。

「ま、詳しく教えなさい」

「はい…」


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