君の虚実に恋してる


「本当にそう思う?」

「もっちろん」

「なんかエノキに励まされた気分だわあ」

「思ったまんまのことです!」

「はは、本当嬉しいよ。ありがとう」


部長は無邪気にわたしの肩をぽんぽんと叩いたり頭を撫でたりした。

うー…
反則…。




部室のドアがふいに開いた。

「あれ、エノキ」

「かっつ先輩。こんにちは」

「うん、こんにちは。瑛史はいるよな」

「おう」

ドアの向こうから顔を出したのは
例のかっつ先輩だった。

「今日委員会早いな」

「ああ、朝生先生がいらっしゃらなくてな。切り上げてきた」

「あ、なーる」

ここでかっつ先輩の紹介をしておこう。
刈田晋一(かったしんいち)
通称かっつ。
この学校の生徒会長で、
頭脳明晰、運動神経抜群。
性格は少し冷たいけど
基本的には優しい人だ。

見た目は真っ黒な髪と
アシンメトリーな前髪が特徴的。
目は切れ長で、流し目がクール。
鼻は外人のように高く長い。
唇は程よい厚みもあって
バランスのとれた
美形な顔立ちをしている。

そして身長も182センチもある。
まさに欠点なしの超人。
でもあんまりにも完璧過ぎるせいか
あまり彼女が出来ない。

ただいま、募集中。だそうだ。


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