オルゴール

「嘘じゃないって!!!侑はただの幼馴染だもん!!!そのオルゴール返してよ!!」
愛華は思いっきり怒鳴った。
「本音言わないなら返さない!!!あっち言ってよ!」
次の瞬間愛華は突き飛ばされた。
下は、崖になっていた。
「キャーーーーー」
怖くなり、思いっきり叫んだ。
ぎゅっと目を閉じた。
ああ、もう死ぬんだな。そう思った。
「あいかぁーーーーーーーー」
懐かしい声が愛華の名前を呼んだ。
だれだかわからない。
誰だろう。
なにか暖かいものに包まれた。
ｱﾀｼ・・・どうなってるんだろう。
ｱﾀｼ、誰かに助けられてる??
目が開けない・・・・
イッタイダレ・・・？？




目を覚ましたら由希が不安そうな顔をしていた。
「あ、愛華。大丈夫？」
「うん、大丈夫。」
よかったぁーと由希は言い、愛華に抱きついた。
あたりを見渡すと、バスの中だった。
でも、みんなは乗っていなくて愛華と由希しか乗ってなかった。
「もう、心配したんだよ?」
プクーと由希はすねた。
「ごめん。ｱﾀｼ、誰かに助けられた?藤井・・・拓に名前を呼ばれたようなきするんだけど・・・・・・・・」
愛華がそう聞くと由希は後ろに回していた手を離した。
「気のせいじゃない?呼ばれたかもだけど、助けられてはないよ。」
愛華の目を見て、由希は言った。
その由希の目は、強くて嘘をついてるようには見えなかった。
「そっか。」
「愛華はすごいよ、だって、無傷なんだよ?」
「ｱﾀｼ丈夫だからね～」
由希と話しているとバスのドアが開いた。