オルゴール
1年3組
そう板がかかっている教室の前に立っている。
「行く??」
ひっそりと声を潜め由希に聞いた。
「行く・・・!!」
その声とともに由希は扉を開けた。
教室の中は、にぎわっていてみんな同じ小学校同士で固まっていた。
黒板にはどの席に座れば良いのか書いてあった。
どうやら、あいうえお順らしい。
愛華は、自分の席に荷物を置いて由希の元へスグに行った。
「由希ぃーホントよかったよねー同じクラスで!」
「うんうん!!」
「なんか、今年はいい年になりそうだなぁー」
由希としゃべっていたら予鈴が鳴ったので、一応自分の席に着いた。
することがなく、さっきもらった紙を見返していた。
ふと、目に入って来た。
『藤井 拓 1年1組』
藤井・・・・いや、拓。
違うクラスだった。
少し切ないような良かったような複雑な気持ちなった。
最近、愛華は自分がおかしいコトに気付いている。
拓のコトを考えるだけで、思うだけで心が締め付けられる。
”ぎゅうっ”って。
そして泣けてくるんだ。
おかしいかもしれないけど、いつの間にか涙が出てるんだ。
もう、だれか愛華・・・アタシをたすけて・・・・・
静かに『ポタッ』っと涙が落ちた。
「おい!!」
突然誰かに肩をつかまれた。
「へ・・?」
愛華はびっくりして振り返った。
愛華の目には、ふわっとした髪の毛でちょっと気の強そうな男の子が居た。
「お前、泣いてんのかヨ!!??」
とってもびっくりした顔をしていた。
「べ・・・べつに。てか、ダレ・・??」
「あぁ、おれはね尚稀。お前の隣の席。」
今度はちょっとはにかんだ顔をした。
表情がころころ変わる人だ、これが第一印象だった。
「アタシは愛華。ヨロシク。」
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