隣のあいつ
あぁ、そっか・・・。俺はいつのまにか弥生を『女』として見てたんだ・・・。

付き合う時は必ず覚悟する。いずれ、こいつも『元カノ』といううざい存在になって、俺を恨むと・・・。

だから、女として見てしまう。

もちろん遥も女だが、恋愛感情に関わってないから、弥生とは違う。

『女』に名前を呼ばれたから気持ち悪く感じたんだ・・・。

まいったなぁ・・・。条件反射みたいになってきちまってる。

つか、遥元気なかったけど、どうしたんだ・・・?

「中村~。教科書ある?つか、遥ちゃん呼んで~。後で委員会の事すこしやる。」

「教科書なら、女子に借りろ。待って・・・。遥~。」

「なに?高崎が呼んでる。」
 

「待って~。」

遥が、こっちに向かってきた。

高崎と話を始める。

「中村くん。すこし話いい?」

俺に、話かけてきたのは、真剣な顔をした廣田果歩だった。

「うん。」

今は、昼休みのため俺らはあまり人が出入りしない屋上に向かった。

「で、何?」

俺は、廣田の話から真剣な話だと感じた。

「あんた、弥生ちゃんと付き合ってるんでしょ?」

いつも遥といるときには見せない表情だ・・・。

「あぁ。それでなに?」

「遥はいま、そのことで苦しんでるの・・・。」

!?

どういうことだ?


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