あいされたい

鮮やかな世界

今日は…次の英単語テストの勉強と模試の日本史点数悪かったから復習と、あーやらなきゃいけないことたくさんある。


だからあの公園で変態の相手してる暇はな・い!


そう自分に言い聞かせてなるだけ真っ正面を向いて歩く。


だいたいあんなやつと一緒にいるのクラスの子に見つかったらあたしの素行が疑われるっつーの!


昨日のあれは悪い夢だったのよ!


金髪でくまさんのエプロン着てるやつなんかこの世にいるわけ








ーお、あいじゃーんー









いたーーーーーーー









ーあの、あたし今日急いでるんでー


ーちょっと、おまえ顔色悪くない?ー


ーわるくなーい?ー


ーコラたくま!ー


本日もたくまくんを連れて変態は現れた。


ーだ、大丈夫です!お気になさらずー


そう言って一歩足を前に出そうとしたら、目の前の景色がグニャリとまがった。








ー篠田さんちの宗くん、医大に合格したんですって!ー


ーえーすごいわねぇ!宗くん昔から頭良かったもんねぇー


ーあら?下の子の愛ちゃん、今年中学受験じゃなかった?ー


ーあぁ……ほら、落ちちゃったのよ。公立の中学に通うみたいー


ーあらーかわいそうにねぇー











やめて







やめて








もう………許してください








ー…ぃ!あい!大丈夫か!?あい!!ー







真っ暗な世界は、どこを歩いても先が見えなくて、怖くて寂しくて。


そんな闇に光を照らしてくれたのはまぎれもなくあなただったんだよ。
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