Fortune Presenter
「もう、大丈夫だね?」



真っ赤になった私の目に残っていた涙を
指で拭ってくれる一成さん。

無言で頷けば、優しく微笑んでくれた。


……。

……!!!!

は、恥ずかしいっ!!


冷静になって考えたら
すごい恥ずかしい状況だよ、私っ!!

私が慌てて布団を被れば

クスリと笑う声が
上から降り注いだ。



「ゆきちゃんには俺がいるから大丈夫だよ。」



布団を被っていた私には
一成さんがその言葉をどんな顔をして言っていたかなんて
分からなかった。

ただ一つ分かったのは
あの笑顔と同じくらい優しい声ってことだった。

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