宴の舞姫
「…ま…アレン様!!」
厳しい冬が過ぎ、少しずつだが暖かくなってきた。
俺は自室へと向かうべく廊下を歩いていた
後ろでフリックの声がする。
彼は背が低い
俺の歩幅に間に合わないらしく小走りで
ついてくる
「………」
「何度仰ったら分かるんですか…」
「…るさい」
毎日毎日飽きないものだ。
フリックは俺の教育係り…という名のお目付役
縁談を勧めるのがフリックの日課になっていた。
「アレン様はもう今年で20ですよ?どこの国からか妃を……」
「誰が結婚すると言った?」
「王です」
「クソ親父…」
「とりあえず…
はやく女性に興味を持ってください…」