『縛』
「そんなに、ここにいるのが
気に入らないなら、
一緒に連れて帰れば
いいじゃない・・・!

いつも、そうしてるじゃん?!

昨日から、お兄ちゃん、
おかしいよ!」


半ギレの私を、
尚も突き放す。

「ぁあ?
お前のためにゆってんだよ!

万一、逃げだす様な真似
してみろ。
わかってんだろうな?!」

ひっ・・・。


「お前らには、
もってこいだよ。

志央と、サラ、な。

思わぬ死角だったな。」


お前達には、
相手あっての自分ってのを
認識するいい機会だといい、
お兄ちゃんは、
笑みを浮かべて、
車に乗りこむ。


「じゃあ、サラ。

俺、行くけどさ、
ちゃんと経過報告してこいよ。

ムコウにいる時だって、
全然かまわねーから。」


そういいおいて、
さっさと行ってしまった。


お兄ちゃんって・・・

いい人なのか、

単なるワンマンなのか・・・


ホント、わかんない。


今だって、


何しに来たのか
よくわかんなくて。


ひっかき回しに
来ただけのような、
気がするんだけど。



「・・・いまから、
あそこに戻る
私の身になってよね。」




 
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