『縛』
こんな、
神様のきまぐれで
十年ぶりにできた
俺の恋人・・・は、
いつか・・・
本当に、俺に心をひらくように
なるんだろうか?
出会ってから、
俺は、
彼女の事ばかり、
考えている気がする。
不健全なほどに、
のめり込んでいる気がする。
何で、こんな
切ないんだろう?
俺自身が、
気持ちを注いでいるから?
違う・・・。
温度差があるから。
ニーノから、曖昧には、
サラと、肉体関係を結ぶことが
難しいと、聞かされているから
今の所、無理強いはしてないが。
そろそろ、限界が
近づいてる気配が
自分の中にある。
身体も・・
いつかは、
開いてくれるんだろうか?
サラは、
ミステリアスな
ところがある。
なにかを秘めやかに
隠している・・・
恋人なんだから
当然、その隠した何かにも
彼女の肉体にも
惹かれないわけがない。
何度となく、
それなりのムードに
もちこんだけど、
場慣れしている彼女は、
実に、うまくかわす。
その鮮やかなテクニックに、
俺ですら、太刀打ちなど
できない。