『縛』
「何隠してんの?サラ」


手首の、甘い痛みが
強まる。



「別に・・・何も・・」

「そう?じゃあ、いいよね?」


首筋に、生暖かい感覚と
吐息がつたう。

彼の唇が肌をかすめる度、
身体が跳ねて

熱い息が、
唇から溢れ出す。



今は、いいけど


もうすぐ、足りなくなる。


わかるんだ。


「志央。ダメ・・・
やめて。」


この辺でやめなきゃ、
引くに引けなくなるから。


「ヤダ。やめない。」

彼は、さっくり否定する。


「おとなしくしない罰だよ。」

そう言って、
肩を強めに噛まれた。


一瞬で、せつなくなって、
悲鳴に似た声が、
喉の奥から溢れだす。


覚えのある痛みに、



あろうことか・・・・




そのまま意識を


失った・・・。







 
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