『縛』
自分が『できない』って、
思い込んでるだけのような
気がしなくもない。


あの人と別れて
呆れる程、時間が経ってるし、
未練だってない。


なのに・・・


今だに、身体だけ・・・
変わりないなんて
おかしいと思う。


確かに、今の所、
志央に対して・・・
あの時、あの男に対して
抱いていた程の想いはない。


それでも、時折みせる
素の彼自身を、
可愛くて愛おしいと
感じる事は、ままあって。


難しい事を考えず、
成り行き任せで、
やっちゃえば、
いいんじゃない?
今の自分の感覚も、
わかることだし。
って、イージーに思ってる
自分も、いる。



けれども


愛のあるセックスの味を
覚えている自分が
そうすることを否定する。


それって、


志央に対して、失礼だから。



今更、そんな軽い思考で、
対峙できない。


そうするなら、
出会った時に、
そうしていれば、
よかったんだもの。



そんな事を、
寝ぼけた頭で、考えていた。



 
< 134 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop