『縛』
「ぅあっ・・・?!」

突然、首筋に、
生暖かいモノを感じた。


そのまま、肩に
唇が滑っていく。


「サラ、やっぱ・・・
抱くから。」

長い昼寝から、
目覚めた志央が言った。


「えっ・・?」


あっという間に、
組み伏せられる。


「だって。
やっぱ痕跡がないとさ。
自覚できないだろ?サラは。

俺と付き合ってるって。」

唇が塞がれる。

キスの合間に、息を整え、
やっとのことで、
言葉をつむぐ。


「自覚・・・
して・・るよ。」


その間も、
手慣れた愛撫は、すすむ。


「ふーん。
なら、尚更、いいよな。」

彼は、言って、呼吸感覚で、
行為を
エスカレートさせる。

私の意思は、
関係ないかのように。


「ねぇ・・・
そうやって・・・

抱いてきたの?

その時々の、気分で。」


思わず、確かめてしまった。


そう言った途端、
彼の手が、止まって


彼の目の色が変わった。


蔑むような眼。





怒ってるんだと、
わかった。




 

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