『縛』
なんだ・・・そんな事か。


いい噂じゃないにしろ、
アレがバレてる事に比べたら、
何ともない。

「ガセじゃない?じゃあね。」

たいした問題ではないと、
私は、その場を後にした。


それにしても、
佐伯さんは、大人気だ。

オトコ達は、皆待ってたんだ。
彼女に近づくチャンスを。

みんな、
当たって砕けるのが、
怖いんだ。


私は・・・?


私も、志央に向かう事を
恐れてはないだろうか?


そう。一緒だ。

彼に向かい、傷つく事に、
怯えてる。


恋人なのに。


「鈴木!」

呼び止められ、無言で見遣る。

「何よ?」

「今日、飲みにいかね?」

彼は、懲りずにゆう。

「いかない。」


あんたが欲しいのは、
私じゃないでしょ。

「じゃあね。」

更衣室へ向かう。


出て来たついでに
メールくらい
送ってみるかな・・・と、
思い立って。


かばんから
携帯を取り出した。


ん?着信だ・・


履歴をみる。


・・・でた。


志央・・・



 

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