『縛』
つまんない事を
考えていたせいだろうか。
仕事は、ちっとも
捗らずで・・・


「結局、
宿題になったかぁ・・・。」

8時過ぎに、
デスクトップの電源を
落としながら、
ため息を落とした。

「それにしても・・・
間違いだったのかなあ・・・?
コレ。」

結局、かかってくる事の
なかった、電話番号の
かかれたメモをはがす。

「どうしたの?」

佐伯さんが、ひょっこり隣から
メモを覗き込む。

「ああ、夕方、席外した間に
電話があったみたいなんだけど
ね・・・。
こころあたりが、ないんだよ。」

彼女にメモを渡す。

「友田企画・・・?!
まつ・・い・・ね。」

そう呟く、最後の方は
不機嫌そうだった。

「美穂ちゃん、
眉間にシワはいってるよ。
シワ。」

額のシワを指でのばしつつ、
ご機嫌をうかがう。

「シワも入りますよ
・・・鈴木さん、
帰りますよ。」

何だかわからないけど、
手首を、ガシッと掴まれ、
引きずられるように、
会社を後にし、
お昼に約束をしていた、
付き添いとやらに連行された。



 
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