『縛』
事務所にもどると、
デスクに、置きっぱなしに
なっていた携帯のLEDが
点滅していた。


「志央!早く来いよ!」


ライブの打ち合わせが、
始まっていた。

「・・・気分が乗らねぇ。」

いった俺に、
隣にすわった元田さんが、
にんまり笑って、
恋患いだろ?と
小声でからかって来た。



恋患いね・・・・
そうかもな。



病んでるよな、俺。

結構、ストーカー顔負けな事
やってるし。

冷静に振り返ると、
相当、ハイテンションに、
飛ばしていていたことを
認識して、落ち込む。

「たまにはいいんじゃない?
志央には、そういう
経験が必要だ。」


コウジさんが、
人の悪い笑みを浮かべた。



いつも、からかってるから、
その仕返しか・・・


ニーノに聞いたんだろう。


サラの事を。



 

< 158 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop