『縛』
ロッカーに、
携帯を取りにいくと、
佐伯さんが、すっと、
追ってきた。

「鈴木さんっ。」

小声で呼ばれる。

「何?」

振り返った私を、
部屋の隅までつれていく。

「私、総務の佐伯って
いいます。」

知ってるって・・

苦笑しそうになる。

有名だし、
同じフロアなんだもん。


「あの、突然すいません。
昨日、水族館にいかれました?」

あいかわらずの小声。


げっ・・・

ずる休み、バレてる?!

それで見てたんだ・・。

「ごめん、内緒にしてて
くれる??」

ハスキーみたいな
ブルーアイの彼女に、
お願いする。

「えっ?」

彼女は、一瞬、
意味がわからないと言った
顔をした。

「ああ、そんな事は
いいんです。」

彼女は、黙ってますから
って言って続けた。


「私が気になるのは・・
アソコで、うちの従兄弟に
会われましたよね?」

と。


 

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