『縛』
 

サラを


はじめて
抱いた。


セックスに、
意義というか、
意味や価値を見出だしたのは、
初めての事だった。


単純に気持ちいいとか

体があうとか

それ以上の意味が、
そこにあるという事を
俺は、さっき
初めて知った。


ただ、頬に触れた
だけなのに

ただ、額に息が
かかるだけなのに

サラは、その一つ一つに
狂おしいほどの
反応を見せた。

髪を軽く引っ張ると、
それだけで、
毛根が引き攣る感覚に
涙を浮かべる。


物凄い感覚器官


全身、性感帯の様で
衝撃を受けた。


俺が与える全てを、
彼女は全身で
受け止めているんだと
感じた。


彼女は、いつか


俺の全てを、
全身で
受け止めてくれると
思う。


俺が、本気で
彼女を愛して、
ぶつかれば、
感じてくれるはずだ。


そうすれば、
いつかは、同じ様に
対峙してくれるはず。


横で眠る彼女の髪を
そっと撫でる。


あれから
8時間・・・経過。


随分、堪えていた喘ぎ声
涙の痕・・・

疲れてオチルわけだ。


彼女を抱きしめる。




 
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