『縛』
セックスは
少なくとも私達にとっては
コミュニケーションとして
大きな位置を占めてると
実感していた。


何だか、肩の荷が
下りたというか、
すごく気分が楽だった。


自分の中から
何か塊のようなものが
溶け出してる様だ。


彼と
探りあうように
していた何がが、
消えた様に感じた。


セックスしただけで
何かが変わるはずは、
ない。


そんな事は、
今までの経験で
私自身が
よく分かってる。


私のアノ性癖だって
身体の中に顕在していて。

いつ、また、
激しい責め苦を
身体が、欲しがるやも
しれない。


でも、何か明らかに
私たちの間にあった
何か、ひっかかりの
ようなモノが、
一つきえた。


「何か、ちょっと
軽くなった気がする。」

志央が、片付けを始める
私を眺めながら言う。

「ん?」

何の事?

私が、感じてたような事?

「サラを抱いて
よかったって事。
サラも、同じ事、
感じてるでしょ?」

妙な確信をもって
志央は言う。

 

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