『縛』
 


そうなると、
おさまる
訳はなく・・・・。




俺が、自分を
取り戻した時には

サラは、俺の隣で、
糸が切れたように、
意識を飛ばしてしまう。



ダメだ・・・
余りにも不健康すぎる。


俺が、溺れて
どうすんだよ。


彼女を、
無意識の内の呪縛から
解き放ってやりたいのに。


いつも
俺が溺れてしまう。


今日は、しなくちゃ
いけない話もあんのに・・・


自己嫌悪の溜息をついた。




「志央?・・・どうしたの?
今日・・・変だよ。」


声の主をみる。


探るような潤んだ瞳・・・


「サラ。俺、
その眼・・・苦手。

襲いたくなる。」


瞼にキスをする。


「・・・バカ。」


サラが苦笑して、
上体を起こした。


「サラ。」

本題に入る。

「ん?」

上腕に、彼女の吐息と
唇の感覚を感じる。


「この間、言ったけど、
タブロイドに、俺達の事、
バレたのな。」


彼女の表情がかたい。

大体、コイツの
考えそうな事はわかってる。



 
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