『縛』
そういって、彼女は
バッグにフォームを
大事そうにしまった。


まんざらじゃ、
なかったんだね。

笑みが零れる。

マイペースな山本君に
小動物系の美穂ちゃん。

彼女からいい出せる
訳もない。


志央は、わかってて
こんなイタズラを
仕掛けたんだろう。


やっぱ、相手から
言われたいモノ
なんだろうか?


私は・・・


・・・怖い。


志央とでは
なくても・・・


罪と罰の様に、
結婚しても、
うまくいかない事が
目に見えている
気がして。


『サラ、あんたは独身で
いた方がいいわよ。

どーせ、私達の血が
混ざってんだから、
結婚したって
うまくいかないって。

せっかく、
いい会社に入ったんだから、
キャリア、目指しなさいよね。』


最後に会った日に
あのバカな親が
いった台詞さえ、
最もだって、気がする。


私は、
自ら進んで、
誤った恋愛を選び、
乱れた関係を、
楽だって事だけで
選んできた。





志央と

一緒にいて、
本当に
いいんだろうか?


何のために
一緒にいるんだろう?


混乱が脳内を支配した。



 
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