『縛』
サラが、
何に怯えていたかが、
瞬時にわかった。
ただ、それを
親から言われたと聞き
さすがに、閉口した。
くっだらねー事
いいやがって・・・
やっぱ、普通じゃねぇな。
サラに、俺は
一つ教えてやれると思う。
「おまえが、不倫とかさあ
なんだかんだ
繰り返したのはね。
愛されたかったから、だよ。
サラ。
俺も、そうだったからさ。」
もう、泣き顔を
隠すことすら彼女はせず、
俺のほうを見た。
「俺も、愛されたかったから。
・・・前は、
失ったカノジョに対して
色々考えてたけど。
今はね。
サラの気持ちとかね。
愛とか、そういうのが欲しい。
だから、全部かけた。
無くてもいいものは、
最初から、いらない。
そう、思えたのは
オマエが、ほしいから。
ただ、それだけ。
今も、全てが
手に入ったなんて
到底、言えないんだ。
サラは、まだ
どこか頑なで。
でも、俺は、
満たされてるよ。
オマエにも、
同じものをあげたい。
俺が、オマエの
必要な愛情を
すべてあげる。」