『縛』
可能なかぎりの愛情を
できるかぎりの愛情を
俺は
オマエにあげたい。
サラから
同じモノを望む事は
単なる俺のわがまま。
でも、
サラは・・・
俺にくれるよね?
そう問えば、
「あたりまえ・・・
あげ・・る・・・に・・・・。
ねぇ・・・志央・・・
なんで、泣いてるの?
・・・・・」
サラは、悲しそうに
言った。
『当たり前でしょ?
あげるに決まってる
じゃない。』
そう、
いいたかったん
だよな?
「オマエが悲しいのに
笑える訳ないだろ?」
思わず
泣いていた自分に
愕然とした。
「ねえ、志央、わかって。
私、幸せだったんだよ。
志央・・・
ねえ・・・私・・・
幸せ・・・
だったん・・
だ・・から。
お兄ちゃんも
先生も、
みんな・・・いて・・・」
彼女は、そんな事をいって
俺の服の袖を、
ギュッと握った。
なんか、
微妙にひっかかるけど
オマエが、そういうなら
そうだったんだよな。
いつか、話したくなったら
そうしてくれるよな?
じゃあ・・・さ。サラ。