『縛』
昨日は、彼女の涙が気になって
悶々としたせいか、
よく眠れなかった。


今も、スッキリしなくて
ベッドに転がったまま、
音楽を聴き続けている。


何となく、
携帯を触ったりしていると、
メールの受信をしらせる
コールが鳴った。


美穂?


開封する。


『鈴木さん、元気だよ。
今、一緒にご飯食べたよ。
やっぱり、優しい人だったよ。』

・・・と。

「おっ?!美穂、
でかした!」

慌てて返信する。


『彼女に、大丈夫かって
聞いて。連絡先聞いて。
美穂、頼む。』

即刻、返信がくる。

『後のお願いは却下。
あんた、昨日から、何?
随分、気にしてるよね。』

って。



・・・



ほんとだな・・・。


なんか、恥も外聞もなく
何とか繋がりが欲しいと望む。


慌てて電話したけど、
昼休みが終わった様で、


三回コールが鳴ってすぐ
留守番電話に転送された。


機械音が、ピーっと響くのを
なんだか、ガッカリした気分で
聞いて、電話をきった。



 
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