『縛』
「えっ・・・?」


サラが、固まった。


「答えなかったり、拒んだら、
お前の部屋だから。」


指先に、更に力をこめた。


「・・・わかった。」


少し、うわずった、
かすれた声で、

彼女はいう。


「うちでいいけど・・・。
駐車場ないし。」


「じゃあ、決まりだ。
ちょっと、つきあって。

車停めて、サラんち、
朝までね。」


その手首を解放し、
自分の家に向け、
車を走らせた。


「あ。そうだ。
ちょっとだけいい?」

車を降りる直前、
彼女は、ポケットから、
さっき美穂が渡したメモを
とりだす。

「何?」

エンジンを切りながら、
尋ねる。

「連絡しとこうと思って。
そろそろ着いてる頃だから
メールしなきゃ、
心配するでしょ。」

彼女は、そういって、
アドレスを登録し始めた。

「ライト点けようか?」

液晶画面が、
発光してるとはいえ、
照度は不十分だろうと
聞いてみる。

「大丈夫。見えるし、
すぐ終わるから。」

彼女は、手を動かしながら
いった。

 

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